そもそも留学と言っても様々な学校があり大雑把に挙げると、「語学学校」、「現地の大学」、そして各分野の「専門学校」と分けることができます。
どの学校にもそれぞれ特徴があり、学ぶ目的などによってどこを選ぶのがいいのかは異なってきますので、ぜひ自分の目的に合った学校を選ぶといいと思います。
専門学校
まず各分野の専門学校についてですが、もし英語があまり出来ない人が英語を学ぶ為に行くのならこの選択はあまりおススメしません。
専門学校に留学すると授業は最初から英語で行われ、留学生の為のやさしい英語ではありません!現地の高校などを卒業した人達が一般的に学ぶ場所ですので、現地の人と同等に扱われます。
ということは、とても高いレベルの英語力を取得しておかなければ入学したとしても訳が分からずに時間だけが無駄に過ぎていってしまいます。これはとても効率が悪い留学方法なのでおすすめはしませんね。
専門学校で専門的なことを学ぼうとする場合は、まずはある程度の英語力を先に身につける必要があるのです…。
これは実際にあった例ですが、ある私の友達は過去に1ヶ月しか留学の経験がなく、尚且つ、そこまで英語力が高くなかったのですが、ある専門学校に入ってしまい、入学してから3ヶ月くらいまでは「もう学校には行きたくない!」、「もう辞めたい」などと毎日のように嘆いていました。
ただし、3ヶ月を過ぎたくらいからその友達は段々学校の授業に慣れていき、英語も徐々に理解できるようになっていったそうです。
なので、もし初めから専門学校に行こうと考えている人はそれなりの覚悟が必要で、その分野で使われる専門単語などを覚えてからいくと割と授業にも溶け込めやすく効率的な留学が出来るかもしれません。
ある程度英語が話せるなら挑戦してみるのもアリですが、ほとんど話せないのなら個人的には全然おすすめしませんね。
語学学校
日本人が私費で留学して通う学校は基本的に語学学校になります。
語学学校はその名の通り言語を学ぶ為の場所で、入学するのに試験を受けたり、英語力を証明するものを提出する必要がないので誰でもお金さえ払えば入学することが出来ます。
そして、語学学校はコースが多種多様でレベル別に分かれていたり、試験専用のコースがあったり、さらに期間も1週間の短期から1年以上の長期まで、自分の希望に沿ったコースを選ぶことができます。
しかし、語学学校は多くの日本人が留学先として通っている故に大きなデメリットがあります。
それは日本人が多すぎて、学校内で日本人同士で日本語を話しているということです。
日本人が留学に行く国は限られており、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピンのどれかに多くの人が留学します。日本人留学生はこれらの国々に散らばるわけですので、どうしても語学学校には日本人が多くなってしまいます。
語学学校=英語は伸びない!?
真剣に英語力を伸ばしたいと思ったら、語学学校への留学は間違った選択と言えます。
簡潔に説明すると、語学学校には「日本」に関係するものが多すぎます。
先程も紹介したように、日本人が多すぎて、結果として日本人同士でつるむことになり、とくに放課後などでは一緒に集まって日本語をずっと話してしまうのです。実際に語学学校に通っている人のほとんどはそうです!
また、こちら側が話さないようにしていても、日本人の性格上、話しかけられたならなかなか無視することもできないですし、きっぱり「英語をしゃべれ!」と言えませんので、結果的に仕方なく日本語を喋ってしまうのです…。
加えて日本人には語学学校は必要ありません!
どちらかと言うと、語学学校は外国人留学生向けの学校です。
確かに、語学学校ではコミュニケーションの授業はありますが、基本的には文法など教科書を使用した座学の授業が多いのです。
外国人留学生は一般的に「会話は出来るけど文法が苦手」なので通う必要があるのですが、日本人はすでに文法に関しては出来ている人が多いので、語学学校に行ってもすでに知っている文法の授業をただ英語でやっている感じなのです。
日本人に必要なのは文法などの知識系ではなく会話であり、意外と語学学校では会話の授業が少なかったりしますので意味がありません。
なので、本当に語学学校に通うメリットは少ないのが現実です。語学学校の唯一のメリットと言われれば世界中に友達が出来るくらいですかね^^;
現地の大学
英語を最も効率的に学ぶのであれば、現地の大学に留学するのが最も良い選択です。
現地の大学に留学する最大のメリットは、「ネイティブの学生と交流が持てること」でして、留学で一番自身の英語力が伸びる瞬間というのは、学校で勉強している時ではなく、たわいも無い世間話などをネイティブの人と喋っている時です。
これだったら「別に大学に行かなくても、その辺の人に適当に話かければいいのではないか?」と思う人がいるかもしれませんが、実際問題これは極めて難しいです。
数十秒ならなんとか会話が続くかもしれないですが、誰も英語が出来ない人と一緒に英語の練習に付き合ってくれるほど寛容なネイティブはいません。
しかし、大学ならばそのようなことはありません。
自分と同じクラスの人、自分ことに関心を持ってくれる人などは沢山いるので簡単に友達になれますし、留学生ならよりその点に関しては有利だと思います。
なにせ違う文化や価値観を持っているので関心を持たれやすいのは確かです。特に日本に興味がある外国人は沢山いますので、他の留学生よりも圧倒的に有利です。
英語を喋る機会が圧倒的に多い。
大学では毎日のように様々なイベントが行われていますし、そのようなイベントに参加すれば英語を喋らざるをえない環境に置かれ、自然と日本語を忘れることが出来ます。
そして、ここで沢山の友達を作ることもおススメです。
大学以外の場所に留学してしまうと、たとえ友達にネイティブの人が居たとしても毎回喋る人が同じになってしまい、あまり効果がありません。
日本語でも英語でも、どの言語でも人それぞれ話し方にはクセがあります。そこでいくらネイティブの人だからと言って毎回同じ人と話していても、その人の英語には耳が慣れ、聞き取れるようにはなるかもしれませんが、その人でなくなると全く聞き取れなくなってしまいますことがあります。
なので、同じネイティブでも沢山の友達を作るのが英語上達のコツです。
現地の大学にももちろん日本人がいると思いますがその数は語学学校などと比べると遥かに少ないです。大学は広いですので会う機会もそこまで多くはありません。
留学で最も大切なのは「日本語脳」から「英語脳」に変えること
英語上達で最も大事なことが、自分の頭を「日本語脳」から「英語脳」に切り替えること。
これが上手く出来ないと英語はなかなかぺらぺらに喋れるようにはなりません。
私たちは日本人なのでもちろん普段は日本語脳なのですが、留学したらこれをなるべく英語脳に変える必要があります。なぜなら、そもそも日本語と英語との言語間距離はとても遠く、日本人が英語を取得するのは難しいとされてます。
確かに、日本語と英語は全く違う言語であり、その一例として文構造の違いが挙げられます。
日本語と英語の文構造の違い
「He gave me a pen.」=「彼は私に1本のペンをくれました。」
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「彼はくれました私に1本のペンを」 「He me a pen gave.」
日本語と英語の文の構造が、全然違うことが理解できるかと思います。
左下の日本語訳は英語の語順のまま訳したもので、右上の日本語訳は通常の訳です。
英語をそのまま訳した場合は「主語+動詞+人+物」という順序なのですが、普通の日本語訳では「主語+人+物+動詞」となります。ここからも分かるように動詞の位置が日本語と英語では違うのです。
この動詞の位置が違うだけで、日本人にとって英語を話すということは実はとても難しいことなのです。
驚く事に多くの言語は英語の文構造に似ているため他国の人は比較的日本人よりも英語を早く習得することができます。ベトナム語に関して言えば、英語とほぼ文構造が同じなので彼らは発音はさておき、スムーズな英語を話す事ができます。
この日本語と英語の文構造が極端に異なっているがために、英語を話す時には我々が普段使っている「日本語脳」を「英語脳」に変える必要があるのです。
そして、その「英語脳」にするために最も効果的な方法は、先に書いたように英語の環境にどっぷりと浸かり日本語を一切忘れる事です。留学中に少しでも日本語に触れてしまうと簡単に日本語脳に変わってしまい、その分英語の取得が遅くなってしまいます。
今の留学生は、この英語脳にすることが出来ないために、なかなか留学したとしても英語を話せるようになりません。そして、今の留学で出来るだけこの環境に近づける方法が現地の大学に行くことです。
よって、留学する際に考える学校は決して語学学校ではなく、現地の大学を選ぶべきなのです。